以前からブログに書いてきたが(このブログページでは無い)、重機を運転するとガンダムを運転している気分になる。
これは私がガンダム好きという事と、只の妄想癖が強いというだけかもしれないのだが、あの人智を超える力をレバー一本で手足の様に動かせる所は動かすだけで萌えてしまうのである。
こんな事をいうと本当にガンダム好きな人に怒られるかもしれないが、えせファンの山師からすると森の中に黄色い車体が動いているだけで百式(ガンダムに出てくるモビルスーツ)に見えてくるのだ。
重機が林業に入ることで林業作業は格段に進化した。
一本で何百kgという重さの木を女性の力でも簡単に動かせるようになった。
それまでは「飛び口」という木の棒に鍵状の鉄が付いた道具で人力で動かしたり、下手したら力自慢の男が何人掛かりで苦労して担いで木を動かしていた。
集材方法もそれまでは斜面に沿って「転がす、滑らす」という方法以外無かった。
全て人間の力と自然法則に従って作業をする、正に過酷を極めるものだった。
もしガンダムが人力でやっていたら全然盛り上がらなかったと思う。
焚き物を片手に持ってシャアに殴りかかるアムロ…
自分の自転車を赤く塗って乗るシャア…
年間3台しかできない手作業で作る量産型ザク…
それはそれで面白いかもしれないが、やはり夢がない。
それまで想像し得なかったものに人間は夢を抱くのだ。
今林業は「高性能林業機械」という言葉が出るほど進化した。
その機械一台あれば木を伐り、枝を払い、造材(柱の長さに切る)し、掴んでトラックに乗せる事ができる。どんなに斜面が急でも重力に逆らって引っ張り上げることもできる。何百mも離れた所から一つの場所に木を簡単に集められる。操作する人間は資格さえ持てば力の無い女性でも高齢者でも一人で出来る。50年前からすると、正に夢の境地に突入しているのだ。
だが現在林業は人気がない。
『林業女子』なんて言葉もでているがブームとは程遠い。
林業関連グッズなんてもっての外、林業という言葉すらめざましテレビで取り上げられることすら無い。
何故なのか。
夢の世界が訪れたのに。
50年前夢に見た杉だらけの山も完成したのに。
日本だけで日本が使う木を賄えるようになったのに。
この事を50年前の当時の人間に聞かせるとまず信じないだろう。「枝なんか10秒で払えるよ」なんて言ったら狼少年扱いだ。そのくらい劇的に進化した。
実は当時を知る人間も多い。
私の親父世代がそうだし、この世代が今もなお林業界を支えている。
彼らの考えは古き良き時代を引き継いでいる。そして古き良き時代に呪われている。
林業は50年後、100年後を観る仕事だ。常に前を向かなければならない。
今必要なのは「昔は良かった」では無く「未来は最高だ」なのだ。
そう、50年前の山師がそうだったように。夢は叶うのだ。
今のように機械ばかり新しくなっても使う人間が変わらなくては意味がない。
飛び口で林業をしていた頃の考えで高性能林業機械を使っても活かしきれない。
価値観を変えずに新しいシステムに臨む事はできないのだ。
ガンダムが出来た今、林業界に必要なのはアムロだ。
これまでとは違う感度を持ったニュータイプが地球を救う。
そしてニュータイプを活かすのがこれまで頑張ってきた人間なのだ。
アムロもブライトさん無しでは成長は無い。
ニュータイプもオールドタイプも力を合わせてこそジオン軍に勝てるのだ。
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